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【読札解説】
水道が整備されるまでは「娘は鹿島へ嫁に出すな。腰骨の折れるほど水を汲まされるからなぁ」といわれるほど、鹿島町宮中の台地に住む人々にとって、朝晩の水汲みは大変なものでした。この宮中の周辺には貴重な水場として七つ井戸がありました。
1 染井(そめい)
宮中・宮下の厨区集会所のうしろにあり、今も湧き出ています。古代には神宮の染織につかわれていたそうです。
2 成井(なるい)
昔は葦井(あしい)と言われるほど葦が繁り、厨台に通じる坂道(成井坂)にその名が残っています。今は雑木林のふもとに水がわき出ています。
3 華柄井(かがらい)
宮中大町の西の谷にあり、戦前は多量の水が湧き、農業用水や種籾の浸水場として利用されていましたが、現在は埋没しています。
4 寸府井(すんぷい)
宮中下生の与平次坂にその跡地が残り、水は出ていません。
5 保田井(ほだい)
神野の猫がえり谷(やづ)にあり、今は宅地造成により埋没しています。
6 清水井(しみずい)
宮中栗林の東の谷にあり、今もわき出ていて、水田の用水として利用されています。
7 波佐間井(はざまい)
宮下の個人宅地内にあり、今は埋没し、竹が繁っています。