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【読札解説】
宮中下生に所在する瑞鷹山根本寺(ずいようさんこんぽんじ)は、推古天皇20年(612年)に聖徳太子が創建した寺と伝えられています。建久2年(1191年)に源頼朝により再興され、弘安4年(1281年)の蒙古襲来の時には勅印を与えられた古いお寺です。江戸時代の俳人・松尾芭蕉も、貞享4年(1687年)8月、44歳の時にこの寺を訪れています。根本寺の仏頂和尚(ぶっちょうおしょう)は芭蕉の禅の師でした。芭蕉はその夜、雨後の月見をしました。このとき体験した内容を記した文が『鹿島詣(かしまもうで)』(鹿島紀行(かしまきこう))です。そして、「月早し 梢は雨を持ちながら」、「寺に寝て まこと顔なる月見かな」と詠んだ俳句の石碑が境内本堂前に建てられています。そして、翌年、芭蕉は「奥の細道」として旅をしております。