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【読札解説】
棚木の大福寺の本尊であるこの像は、源平合戦の死者の霊を弔(とむら)うために平景清の娘である人丸が安置したと伝えられています。正式名称は「十一面観世音菩薩坐像(じゅういちめんかんぜおんぼさつざぞう)」といい、頭部には慈悲(じひ)面・忿怒(ふんぬ)面・狗牙(くげ)面・仏首の十一面を持っていて、あわれみの表情が示されています。
観世音菩薩は仏教の信仰対象である菩薩の一尊(いちぞん)です。観音菩薩が変化した神の一つで、六観音の一つでもあります。病気治癒などの現世利益を祈願して十一面観音像は多く祀られました。