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【読札解説】
新田(しんでん)かぐらは、大船津の新田地区に伝わる神楽(かぐら)です。元々鹿島神宮境内御手洗にあった涼泉寺に獅子が保存されていました。このお寺が火災にあい、獅子だけが難を逃れ、その獅子と鹿島神宮に伝わる巫女舞を新田地区に移したものが新田かぐらの始まりと伝えられています。四種類の獅子舞(乱獅子、下りは、昇殿、幣(へ)の舞)と笛と太鼓、そして神楽歌から成り立っています。
新田かぐらは、1月下旬の村祈祷(きとう)の際に、地区の各戸を回って家内安全・五穀豊穣を祈願してまわるほか、12年に一度行われる鹿島神宮の大祭「御船祭(みふねさい)」では、笛や太鼓の音によって神様のお出ましが遠くから分かるよう、一番先頭に立ち、悪魔祓いをして御座船(ござせん)を守り導く役割を担っています。