本文
【読札解説】
鹿島神宮には古くから明治4年(1871年)まで、物忌(ものいみ)という位(くらい)の高い女性神官がいました。
物忌さまは、お正月に本殿に入り御幣を取り出して新しい御幣にと取り換えるなどの重要な神事を行っていました。昔、本殿へはこの物忌様しか入る事ができませんでした。「物忌」という言葉は、慎んで心身を清めてこもる事を意味します。物忌になった女性は、その後結婚せずに宮中神野地区に建てられた物忌の館(やかた)で一生を過ごし、両親や家族にも会わず、神様に奉仕したことから神様のお妃のように見る人もいました。