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市民の皆さまにおかれましては、健やかな新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年は教育委員と市長とで教育や文化の振興に関する総合的な施策を定めた「鹿嶋市教育大綱」の見直しを行いました。
社会環境の急激な変化の波を受ける今の子どもたちは、未来を見通す能力、新しい社会への適応力が一層求められています。今後も、幼児教育、学校教育、社会教育が連携し本市の将来を託すことのできる鹿嶋っ子の育成に注力してまいります。
鹿嶋市では、学校の主体的な学びを後押しする授業改善プロジェクトを進めており、学習指導要領の改訂で「主体的・対話的で深い学び」が明記される前から取り組んでいます。プロジェクトは、子ども達に問題発見、解決の能力が身に着くような授業づくりを目指しており、本市では、授業改善プロジェクトガイドブックを作成し、各校で活用、実践を進めています。これまでの成果として、学力定着や指導力向上につなげることができました。今年も特に、全ての教科のベースとなる国語科を中心とし、大学教授を招いて、授業研究と教員への指導を行っていきます。
そして、この授業改善にはICTを授業に取り入れることが不可欠です。一人一台のパソコンや電子黒板を協働した学びや課題解決・家庭での学習に活用します。
今、まさに学びの進化や転換が図られている時です。教育委員会でも、子どもたちの個別最適な学びをしっかりサポートしていきます。
本市は幼少期から英語に慣れ親しむ環境を整備しており、英語力の向上を図っているところです。英語教材では、鹿島アントラーズ協力のもと「全身反応教授法(TPR)」を利用した動画を制作しました。英語表現の意味と動作が直接結びつくので、低学年の児童の学びに大変有効です。
また、昨年は、ALTと自由に会話し英語力を高める「イングリッシュラウンジ」や小学5、6年生がALTと共に1泊2日の英語生活を体験する「イングリッシュキャンプ」を実施し、より実践的な英語を身に付ける事業にも取り組みました。今後も、これらの英語を活用する事業と合わせ、英語教育を充実させていきたいと思います。
高松中学校の工事は4月の開校に向け、順調に進んでおります。学校施設の老朽対策と併せて、小中一貫教育をすすめる高松小学校と高松中学校を施設一体化とするものであり、鹿行地区初の試みとなります。
高松小中一貫教育を開始してから4年が過ぎましたが、9年間の連続した学びを見通した学習の系統性を重視し、小中学校の教職員の乗り入れ授業や小学校高学年の教科担任制の導入、異学年集団での交流活動として小中学校合同のコミュニケーション英語や部活動体験などにより、学力の向上や中1ギャップの解消、児童生徒の心の育成など成果が現れてきているものと感じております。これらの結果は、これまでの4年間の小中一貫教育の中で得られた成果であると考えております。
高松小中学校は、今後の鹿行地区の小中一貫教育のパイロット校としての役割を十分果たすとともに、地域とも親密な連携ができ、まさに地域の中の学校となり、高松地区の成長のシンボル的な施設になるものと確信しています。
鹿嶋市には、縄文の古代から現代へ連綿と続く悠久の歴史があり、鹿島神宮をはじめとして、歴史的に大きな価値を有する有形、無形の資産が数多く存在しております。それらの歴史文化を保存し、学ぶことのできる施設は、郷土愛を育む教育を進めていく上でもなくてはならないものと考えております。
歴史資料館の建設につきましては、市の全般的な財政事情や今後の財政見通し等、総合的に判断した結果、執行は停止となりましたが、近年県内においては廃校等を利用した文化財保管施設の事例もあることから、それらについてもしっかりと調査し、既存公共施設の有効活用を含め、文化財の適切な保管等について検討し、後世に受け継ぐシステムの構築に向けて調査・研究をしてまいります。
引き続き、「学びの力」を育む「子ども大学」を開校していきます。子どもは概ね10歳ごろから知性が急速に発達し、いろいろなものに好奇心や疑問を持つと言われています。子どもの知的好奇心を刺激し、物事の本質に迫っていく洞察力や推測力など学校の勉強とは違った「学びの力」を育むため、大学教授や企業など、地域人材を講師としてお招きし、子どもたちが興味を抱きそうなテーマを設定しています。
子どもたちの未来は好奇心で変わります。
最後になりますが、今春入学される小学校1年生に新しい形のランドセルをお贈りします。これまで課題となっていた大きさ、重さについて改善を図り、色は男女統一のキャメル色で、ファスナータイプのランドセルになります。小学校入学予定のみなさん、楽しみにしてください。
まだ、新型コロナウイルス感染症の終息は見えませんが、感染状況に応じた措置を講じながら、子どもたちの学びを継続してまいります。
今後も未来を担う人材となる鹿嶋っ子の育成を目指して、教育環境を整えるとともに、市民の皆さまのご理解・ご協力を賜りながら、更なる教育行政の発展に努めてまいります。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。