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新年あけましておめでとうございます。市民の皆さまにおかれましては、健やかな新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
昨年は新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが令和5年5月に「5類」に移行しました。その中で、例年よりも早い時期からインフルエンザが流行し、小学校や中学校では学級閉鎖が相次ぎましたが、各校の教育活動や学校行事が再開され、子どもたちの笑顔が戻ってまいりました。
また、高松中学校の大規模改造工事が完了し、高松小学校と高松中学校が、施設一体型小中一貫教育を開始しました。他の中学校区では、立地条件から施設分離型となりますが、小中学校、9年間の連続した学びが、「確かな学力」と「豊かな人間性」を育むことにつながると考えられます。引き続き、地域の実情を考慮し、様々な可能性を模索しながら、全市に拡充していきます。
子どもたちの学力向上には先生方の指導力向上が不可欠です。鹿嶋市では先生方の指導力向上のために、授業改善プロジェクトを実施しています。教育委員会では先生方への指導や助言のほか、授業改善ガイドブックを作成し、各校で活用していただくことで、子どもたちが進んで学習に取り組めるような授業づくりをサポートしています。
これまでの成果として、先生方の指導力は確実に向上しています。今後も子どもたち一人ひとりが、身に付けた知識や技能を生かして、課題を発見し、解決するために必要な思考力や判断力の育成につながるよう、支援してまいります。
そして、授業改善と一体的にICT教育を進めています。令和3年度から一人に一台のパソコンを配布し、学校でも家庭でも日常的に活用されるようになりました。また、学校のWi-Fi環境を整備し、学校のどこにいてもICT機器が使えるようになりました。さらに、電子黒板、いわゆる大型タブレット端末の導入により、教育環境は大きく変化しました。
学校で、子どもたちはICT機器を通して、自ら学び、また、友達と協働して学ぶ姿が見られます。ICT機器を効果的に活用する力が、着実に身に付いていることを実感しています。
国語については、朝読書の取り組みや各学校へ専任の学校図書館司書を配置することで、学校図書館の環境が整い、子どもたちの読書に対する興味・関心がなお一層高まってきています。国語はすべての教科の基礎となることから、子どもたちの「国語力」を高めるために、令和5年9月から読売新聞が作成する学習教材「よむYOMUワークシート」を小学4年生以上を対象に試験的に導入しています。初めて目にする文章でも読み解く力を身に付けることで、言語能力や情報活用能力、論理的思考能力の向上が期待されます。
算数・数学については、子どもたちの主体性や、理解度に応じて、2つ以上のコースに分けて指導する「習熟度別指導」を中学校の数学、一部の小学校で取り入れています。質の高い学びを実現するために、今後、積極的にすべての学校・学年に拡大していこうと考えています。
令和6年4月から鹿嶋市立の小・中学校を3学期制から2学期制へ移行いたします。県内では約半数の自治体の公立小・中学校が2学期制に移行しており、始業式や終業式等を短縮することにより授業時間の確保、さらには、先生が子どもと向き合う時間の確保が期待できます。また、導入に当たっては、現在の登校日や夏休みなどの長期休業期間を変更せずにスムーズに移行ができ、子どもたちの一層の学力向上と先生方の働き方改革につながるものと考えています。
令和5年度、かしま子ども大学は小学5・6年生を対象に、第4期生を募集し開校しました。授業は企業やNPOなど、鹿嶋にゆかりのある方々を外部講師として迎え、国立天文台勤務の布施先生による宇宙学、セイビ堂の阿部先生によるAIの活用、犬飼電工株式会社 犬飼先生によるドローンを使った授業など、全8講義を行いました。また令和5年度からは新たな試みとして、小学3・4年生を対象にした、かしま子どもプレ大学を開校しました。
未来は好奇心で変わります。学校教育の枠から飛び出した、幅広い分野の「学び」は、子どもたちの知的好奇心を高めることにつながるものと考えています。この体験で得た気づきや疑問が、将来、子どもたちの夢の実現につながるよう願っています。
今年も継続して実施し、更に魅力的な内容となるよう努めてまいります。興味のある方は、ぜひ参加してほしいと思います。
急激な社会の変化に伴い、学校と地域を取り巻く環境はますます複雑化・多様化しています。そうした中で、学校と地域が目標やビジョンを共有し、一体となって、子どもたちを育てていくことの重要性が高まっています。
鹿嶋市では、未来を担う子どもたちの豊かな学びや活力ある地域づくりを実現するため、地域、公民館、学校が力をあわせて学校運営に取り組む、コミュニティ・スクールへの転換を強く推し進めています。
引き続き、地域の特色や人材を生かしながら、子どもたちを中心に据えて、学校と地域、双方が活性化するよう支援してまいります。
最後になりますが、引き続き、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザなどに注意を払いつつ、感染状況に応じた措置を講じながら、子どもたちの学びを継続してまいります。
今後も未来を担う人材となる鹿嶋っ子の育成を目指して、教育環境を整えるとともに、市民の皆さまのご理解・ご協力を賜りながら、更なる教育行政の発展に努めてまいります。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。