本文
鳥追い(とりおい)
鳥追いは、田畑に害を与える鳥獣を追い払って、豊作を祈念する一月十四日の子ども(男の子)の行事で、現在も粟生地区や木滝地区・中地区などで行われています。
正月になるとその地区の小学生の男の子達は準備を始め十四日を待ちます。
当日は地区の神社や集会所などに集合し、地区内を太鼓をたたいて大きな声で囃子ながら地区内を回ります。
鳥追いだー 鳥追いだー 今夜はどこの鳥追いだ
鎌倉さんの鳥追いだ。カマジイ切って塩つけて、
塩俵さ おっぺして 向えさ おっぺせ 転がらせ。
おーめんてー おーめんてー 百姓繁盛するように
※ おっぺす・・・・・・・鹿島弁で「押し込む」「押す」の事
※カマジイ(かまじ)・・・・・・・・・・何を差す言葉か不明
※おーめんてー・・・「目出度い」を表す言葉と思われる
などと囃子し、地区の田んぼや家々まわり、お囃子が終わるとおひねりをいただきます。
なかでも、お嫁さんをもらったばかりの家に行った際には、「オーメンテー、オーメンテー花嫁もらってオーメンテー」とはやしたり、農家の家では農業繁昌をするようにとはやしたり、「初孫生まれて」「おじいさんおばあさん長生きで」などと行く先々の家の状況によって囃子言葉が少しずつ変わります。地区内を回り終えると、祝儀やおひねりを分配して解散となります。
鳥追いの歌を聞いてみる↓(平成27年1月14日収録/粟生地区)
http://kashimashi.info/bunkazai/wp-content/uploads/2016/09/鳥追い音声.mp3
『鹿島町史第2巻』には、根三田地区の鳥追いの様子が掲載されていますが、平成27年に収録した粟生地区の歌詞とは少し異なっており、地区によっても囃子言葉が少々違っていたようです。(根三田地区は20~30年前に途絶えてしまいました。)
根三田地区の鳥追い
鳥追いなー 鳥追いなー 今夜はどこの鳥追いな。鎌倉さんの鳥追いだ。おお めんてい おおめんてい
おれげの(俺の家の) おれげの苗代さ 苗代さ おんどり めんどり とーまって
尻切って かまじ切って 向こうのバッケさ おっこせ すっこせ 黒ガラス