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縄文人の生活道具
縄文人は、様々な道具を使っていたことがわかっています。鹿嶋の縄文人はどんな生活道具を使っていたのか見てみましょう。市内の遺跡からは土器の次に石器類が多く出土しています。
土器(どき)
鹿嶋市内から見つかった縄文時代後期~晩期の土器です。食べ物を煮炊きする際などに使われていました。
こちらは、やかんのように注ぎ口がある縄文時代後期の土器です。平成3年の発掘調査で縄文時代の住居跡から発見されました。
石鏃(せきぞく)
竹の棒などに挟んだり、棒に突き刺して矢じりとして狩猟に用いました。
石斧(せきふ)
字のとおり斧として使用されました。鹿嶋市内の遺跡では、植物の採取や地面に穴を掘るために用いたと推測される打製石斧の出土例が多いです。
ツマミ形石器
鹿島神宮の北側に厨台遺跡という鹿嶋市の縄文時代中期の代表的な遺跡があります。この厨台遺跡で多く見つかるツマミ形石器は、ガラス質黒色安山岩を主な石材として用いています。その使用方法は、獣の皮を剥いだり、肉を切ったりするのに使われていたものと推測されています。
石錘(せきすい)
石錘は漁をする際に錘(おもり)として縄につけて使用したものです。両端の切り込みに縄をかけて、使っていました。
骨角器(こっかくき)
動物の骨などで作った釣針や銛などの器具を骨角器といいます。鹿嶋市神野地区の神野遺跡では鹿の骨でつくられたヤスが見つかっています。ヤスは、銛と同様に魚を突き刺して捕る道具です。
編み物
鹿嶋市内では編み物そのものの出土例はありませんが、網代の痕が底面に残っている土器が出土しており、網代(編み物)を使用していたことが伺われます。
木製品
この他、木製品は鹿嶋の縄文人にとっても身近な道具の一つであったと思われますが、腐る物質のため残っておらず、台地上の遺跡からは発見されていません。全国の縄文遺跡では、低湿地から稀に、器や櫛、丸木舟や弓や杓子などの木製品が出土しています。鹿嶋でも縄文時代にこれらの木製品が使われていたのではないかと想像されます。