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平成23年3月11日に発生した東日本大震災や過去の大地震では、建築物の構造部分の損傷以外にも、非構造部材といわれるブロック塀の倒壊・外壁材・天井材や窓ガラスの落下などの被害が数多く見られました。
地震時の被害を縮小し、迅速な復旧作業を行なうためには、建築物の耐震化だけでなく、非構造部材を含む総合的な安全対策が重要になります。
昭和53年に発生した宮城沖地震では、16人がブロック塀の下敷きになって亡くなり、平成7年の阪神・淡路大震災でも約1,500件のブロック塀の倒壊が報告されています。
また、平成30年6月には、大阪北部地震でブロック塀が倒壊し、登校中の女児が下敷きになって亡くなる事故も発生しています。
地震によるブロック塀の倒壊は、人的被害の発生だけでなく、道路を閉鎖しての避難・救助活動の妨げとなります。
ブロック塀は所有者の責任において管理することが基本ですので、ブロック塀の劣化、鉄筋の不足、控え壁がない、高すぎるなどの構造上問題のあるブロック塀は、構造・耐久性・転倒防止対策を理解し、安全性を確認しましょう。
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平成16年に発生した新潟県中越地震では、家具類の転倒や落下物等による負傷者が4割以上を占めています。
タンス、食器棚、書棚などの背の高い家具や、テレビなど重い機器は固定していないと地震のときに転倒や移動したり、避難経路をふさいだりしてとても危険です。家具の配置を工夫した上で、固定するなど、いろいろな対策を複合して行うことが有効です。
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近年発生した大きな地震では、大型店舗での天井材や外壁の崩落、オフィスビルの窓ガラスの落下、スポーツ施設の天井落下により通行人や利用者に負傷者が出ました。
体育館や屋内プール等の大規模空間のつり天井は、地震などの激しい揺れで接合金具が外れ、落下する恐れがあります。
また、古い方式(硬化性パテ止め)で固定された窓、大きなガラス面、ガラス同士が直接固定された窓が割れやすく危険であり、十分な安全性を確保するために建築物の点検と適切な施工や補強を行いましょう。
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