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鹿島中学校2年生の生徒が市内15店舗の飲食事業者とメニュー開発を行い、うち3店舗(nemonas hamburger、まるさんCafe、Bistro Nori-na)が11月20日、同校生徒とカシマサッカースタジアム・メルカリロード付近で事前販売を行いました。このメニュー開発・販売は「中学生の働くことの意義や見方・考え方の育成」を目的とした新しいカタチの「企画提案型」職場体験学習として進められ、事業者の理解と協力のもと実施されました。また会場は、教育連携事業の一環で鹿島アントラーズ FCから借りることで実現しました。
当日は、ホームゲームということもあり、多くのサポーターが観戦の前に立ち寄る姿が見られました。nemonas hamburgerと「2-Eがっつりミートバーガー」を企画・商品化した班で社長の役割を務めた椎木優衣さんと企画の役割を務めた高橋由麻さんは、それぞれ「準備は大変だったけれど、始まったばかり。協力してくれたお店に貢献できるよう、お客さんを呼び込みたい」、「お店から出されたミッションが『学生でも手の届きやすい価格のハンバーガー』だったので、中学生でも食べやすい大きさ・値段にすることを意識した。多くの人に食べてもらいたい」と笑顔を見せました。
この体験学習では、生徒たちは店舗ごとに担当班に分かれて「社長・副社長・広報・交渉・企画」の役割を決め、各店舗から出されたミッションに対し、一企業のように企画・プレゼンテーションしながら商品化に向けて準備しました。フィールドワークとして夏休み期間に協力店舗での実食や視察。それをもとにメニュー企画書を作成し、オンラインで、協力事業者に商品プレゼンテーションなどを行いました。生徒たちのプレゼンを受けた事業者は、メニュー化に向けた修正点の指摘や商品の試作などに協力・準備をしてきました。
nemonas hamburgerの根本直樹さんは「中学生の素直な意見や発想が聞けて楽しかった。今回の商品は、中学生が商品開発に携わったことが分かるように『2-E』と入れさせてもらった。来年度も同じ取り組みがあれば、ぜひ協力したい」と話し、続けて「販売期間終了後も、言っていただければお店で提供する」と今後の販売に意欲を見せます。
同体験学習を企画した同校 大川芳宏先生は「子どもたちが地域の方と関わることで、学校では見せない表情をしている。この体験学習を通して、社会性など、学校では身に着けられないチカラが養われたと感じる。地域の皆さんの協力があってこそ実現したことであり、この点が職場体験学習の一番重要なところ。来年も改善しながら実施したい」と笑みがこぼれます。
今回出店した、まるさんCafeの笹沼和彦さんは「ミーティングでは、子どもたちの個性が感じられた。出来上がった商品の『秋の生スイートポテト』は芋ようかんに近く、自社の商品にもなじむものになった。秋の定番商品にできれば」と笑顔を見せました。また、Bistro Nori-naの丸野さんは「子どもたちの社会経験の手助けができてよかったし、いい経験になった。今回の商品は、今後も秋の定番として提供できれば」と話しました。
神奈川県から来場しBistro Nori-naの「さつまいもりんごのクレープ」を購入した方にお話を伺うと、「お店のことは知っていたが、なかなか行けなかった。今回、中学生とコラボした商品で出店しているのを知り購入した」と明かしてくれました。
今年度初めて実施された「企画提案型職場体験学習」は、鹿島アントラーズFCが地域のPRと経済の活性化を目的として行っている「鹿行の食を届けるプロジェクト」に登録している市内飲食事業者に対し、鹿島中学校が打診し、了承を得られた15店舗の協力のもと行われています。
各商品の販売期間は、店舗ごとに異なります。ぜひ、この機会に味わってみてはいかがでしょうか。