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毎月19日には「食育の日」に合わせて地域の自然や食文化への理解を深めるため、茨城県産・鹿嶋市産の食材を使用した郷土料理やオリジナルメニューが提供されています。
9月18日(金曜日)には、鹿島灘産のシラスを使った「しらす入り卵と青菜の和え物」が市内の公立幼稚園、小・中学校の給食で提供されました。鉢形・豊郷の両小学校の児童たちからは、「シラスがいっぱい入っていておいしかった」と好評でした。
みんなが食べる安心・安全な学校給食は、どのように作られているのか見てみましょう!
その日に使う野菜が届くと、すぐに数量(重さ)や食材の状態を細かく検品します。その後、釜ごとに使う量に分けられ「野菜下処理室」に運ばれます。
また、シラスは朝6時に納品・検収され、水洗いをしながら状態をチェックします。
※食材を搬入する部屋は、外から虫などが入り込まないように厳重に2つの扉で仕切られています。搬入のために外の扉が開いているときは、内側の扉を開けることはできません。
ジャガイモは、機械で皮むき・洗浄後、半分に切って空洞や虫食いが無いかを確認し、芽取りをしてから食べやすい大きさにカットされます。
そのほかの野菜もすべて、人の手で食べやすい大きさにカットされた後(冷凍で搬入されたものは解凍後)、3層になったシンクで順番に移動させながら3回洗い、不良の部分を取り除きます。
肉も野菜と同様に、量や状態を細かく確認します。同時に、かたまりをほぐし、お肉屋さんで取り切れなかったスジがあれば手作業で取り除きます。
肉や魚、卵などは、野菜とは別の冷蔵庫に運ばれ、調理されるまで一緒にされることはありません。
各調理場で調理する人は、エプロンで色分けされています。これは、肉類の調理を担当した人が、サラダなど別の調理を担当しないように役割分担をしているためです。
また、食材が中心まで十分加熱されているかを、調理中に数回、温度計でチェック(85℃以上で1分間)しています。なお、サラダや和え物などもチェックし、温度が上がらないようにしています。
コンビオーブンで蒸した野菜などとドレッシングを混ぜ合わせ、サラダや和え物などを作ります。
コンベア式オーブン・フライヤーで、揚げ物・焼き物を作ります。
ひと釜で1,000 人分の調理ができる大釜を最大6つ使用し、カレーやスープ、みそ汁などを作ります。
また、食材が中心まで十分加熱されているかを、調理中に数回、温度計でチェック(85℃以上で1分間)しています。
給食センターのトラックで、市内の小・中学校(大野中は自校調理のため除く)や幼稚園に温かいまま届けられます。なお、ご飯やパンなどの主食は契約事業者から直接、学校に届けられます。
パン作りは給食調理よりも早く、前日の午前2時頃から行われ、十分に冷ましてから袋詰めされ給食として提供されます。
また、子どもたちが食べる前に、各学校の校長先生も検食をして安全性を再確認しています。
※各学校・幼稚園に到着する時間は異なります。
※学校給食用パンは、飯島屋パン店さんに撮影の協力をしていただきました。
調味料や冷凍された食材など、保管できるものは前日に納品されます。
その一つひとつが大きく、トマトケチャップなどもキロ単位です。
また、缶などはラベルをはがし、きれいに洗浄してから保管されます。
鹿嶋のおいしいお米をお腹いっぱい食べてほしい
子どもたちに安心・安全でおいしいお米を、もっとたくさん食べてもらいたいという思いで、15 年以上学校給食用の「茨城県認証 特別栽培米※1」を栽培しています。
この特別栽培米は、お米のおいしさを表す指標のひとつ「食味スコア※2」で80点を超えるなど、良質でこだわりの詰まったおいしいお米です。さらに、JA なめがたしおさいで色彩選別機にかけ、より良いお米を選別して届けています。
今年のお米も良い出来です。自慢のお米で炊いたご飯を、たくさん食べてください!
※1 特別栽培米とは、農薬などの使用を限りなく減らし100%有機栽培で栽培したお米のこと。
※2 近赤外線分析機で「アミロース」「タンパク質」「水分」「脂肪酸度(玄米)」の4つの成分を測定し、
食味方程式により点数を算出したもの。70 点以上で良質米といわれる。
完食後の空っぽの容器や「おいしかった」という言葉がモチベーション
約5,500食の給食調理は、当初、釜やカゴなど一つひとつの調理器具の大きさや、納品される食材の量に驚きました。
例えば、献立にもよりますが、ジャガイモは100kg以上で納品されます。皮むきは機械でできますが、芽取りなど細かい作業は人の手に頼らざるを得ません。
しかも、作業しながら「異物が混入していないか」「食材の状態はどうか」などもチェックしていて、すべてを機械まかせにはできません。
そして、何より気を付けているのが、私自身が食中毒の原因となる菌の保菌者にならないこと。そのため、調理員となってからこれまでの8年間は生卵と二枚貝を食べることを控えています。
だからこそ、給食調理に携わり8年が経った今でも、完食された空っぽの容器を見たときや、子どもたちから直接「おいしかった」という言葉を聞くと、本当にうれしくて調理員としてのモチベーションが上がります。
給食は昔も今も、子どもたちにとって大切な思い出。これからも、安心・安全な学校給食を作っていきます。
野菜たっぷりのいろいろな味に出会える給食に
学校給食の献立は2カ月前に作成し、季節の食材や行事(10月はハロウィーンなど)を取り入れています。
毎月19日の「食育の日」には地域の自然や食文化への理解を深めるため、茨城県産・鹿嶋市産の食材を使用した郷土料理やオリジナルメニューを献立に入れています。先月18日には鹿島灘産シラスを使った給食を提供し、子どもたちからも好評でした。
鹿嶋市の学校給食は「お米」にもこだわっていて、市内で栽培される減農薬特別栽培米コシヒカリを100%使用しています。それは、安心・安全で「おいしい給食」を子どもたちに食べてもらいたいから。
成長期の子どもたちにとって、栄養バランスの整った食事は必要不可欠。そこで、野菜が苦手な子でも食べられるように、細かく刻む、さらに和食・洋食・中華など味付けや調理法を変えています。
何より、多くの子どもたちが食べられ、いろいろな味に出会える給食を心がけています。
皆さんも、アレルギーがなければ、苦手な食材を一口食べるチャレンジをしてみましょう。