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5月28日、鹿野中学校で、「鹿嶋市環境教育連携事業」の初回となる講義が行われました。
この事業は、SDGsの中でも大きな課題の一つとして掲げられている廃棄物の処理について、これからの時代を担う子どもたちに「自身の課題」として認識させ、その解決に向けて自ら考えて行動できる人材を育成することを目的に、今年度から新しく始まった取り組みです。
講義前には、川村等 鹿嶋市教育長から、「自然に恵まれている鹿嶋市も、昔と比べると、北浦に入って遊ぶことや泳ぐことができなくなったり、広い砂浜がある海の海岸線がなくなってしまうなど、大きく変貌していて、ごみの排出量も格段に多くなっています。本事業を通して環境問題やごみについて改めて考えていただき、将来皆さんが、鹿嶋市の豊かな自然環境や住みやすい生活環境を守り、育ててくれる人材へと成長してもらえると嬉しいです」と、生徒たちへの期待を込めたメッセージが送られました。
▲生徒にメッセージを送る川村等 鹿嶋市教育長
初回の講義では、市の廃棄物対策課職員が「普段私たちが日本で何気なく過ごしている日常は、世界から見ると非常に恵まれていて、今後も持続可能だとは限らないこと」「生徒たちが成長して家庭を持ち、働き盛りかもしれない【21.4年後】は、ごみを捨てることができない社会になっているかもしれないこと」「プラスチックごみを食べた魚が自分の家の食卓に並んでいるかもしれないこと」、また、「市の廃棄物の処理のために年間11憶円もの税金が使われていること」「ごみの排出量が増えるとさらにお金がかかり、税金が高くなること」など、生徒たちにとっても身近である現状の課題について伝え、「環境問題は自分たちが考えていくべきことだと認識してほしい」と呼びかけました。
▲講師を務める廃棄物対策課職員。一方的な説明ではなくクロームブックを用いた双方向性対話型の講義が行われました。
▲(上2枚)日本語にすると表現が難しいSDGs(持続可能な開発目標)について、多くの人が一度は見たことのある印象に残る資料などを用いて生徒たちの理解に繋げます。
▲(上3枚)講義に真剣に臨む生徒たち
また、この講義では、途中で講師がアンケートなどを生徒のクロームブックに送付し、その場で生徒が回答、即座に反映される回答結果を基に講師が話を進めていくという新しい形で行われました。市教育委員会は市内公立小中学校に一人一台のクロームブックを配布しており、SDGsでも目標とされている「質の高い教育」の提供、これによる国際化社会・情報化社会に対応した人材育成を目的としています。
▲講師から送付されたアンケートをクロームブックで回答する生徒たち
講義終了後、生徒代表の隠岐ののかさんから「今回のお話を聞いて、遠く離れた地域で起こっている問題も私たちが自分事として捉えなければならないということ、また、今私たちが当たり前に暮らしているこの日常が、世界から見たら特別なことなんだと改めて気づくことができました。これからの未来を良くしていくために、私たちが今すべきことは何かについて考えていきたいと思います」と、講師へのお礼の言葉が送られました。
▲講師へのお礼を伝える生徒