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七つ井戸
記事ID:0050206
更新日:2021年3月29日更新
「鹿島の七つ井戸」とは、かつて宮中地区で使われていた7つの井戸のことを指します。水道が整備されるまで、井戸は人々にとって貴重な水場でした。
鹿島台地に住む宮中地区の人々にとっては、朝晩の水汲みは非常に大変な作業で、昔は「娘を鹿島(現鹿嶋市宮中地区)に嫁に出すな。腰骨が折れるほど水を汲まされるからなぁ。」と言われるほどでした。
(1)染井(そめい)
宮中宮下の厨集会所の東側脇にあり、今もこんこんと水が湧き出ています。明治時代中頃までそこに住んでいた染物屋がその水を使って神宮の一切の調度品を染めていたといいます。数十年前までは水量が豊富でしたが、今は減水したようです。染井の水は小川となって鹿島神宮の御手洗に注いでいます。
(2)成井(なるい)
厨台の人々が使った井戸です。昔は芦が生い茂っていたので、「芦井(あしい)」といわれたほどでした。厨台に通じる坂「成井坂」に成井の名が残っています。今は雑木林の麓に水が湧き出ています。
(3)華柄井(かがらい)
昔、宮中にあった正等寺というお寺の付近の人々が使った井戸です。戦前は大量の水が湧いていましたが、今は地下に埋没しています。
(4)清水井(しみずい)
萩原・片岡・荒原等の地区の人々が使った井戸です。今も水が湧き出ています。
(5)保太井(ほたい)
広内・御園生・安崎地区の人々が使った井戸です。今は住宅造成により地下に埋没しています。
(6)寸府井(すふい・すんぷい)
根本寺付近の人々が使った井戸です。下生地区の与平次坂に跡地がありますが、水は出ていません。
(7)波左間井(はざまい)
厨台の人々が使った井戸です。今は地下に埋没しています。