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人形送り

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記事ID:0050210 更新日:2021年3月29日更新

人形送りはかつては鹿嶋市域の多くの地区で行われていた家内安全・悪魔祓いの行事ですが、詳細な記録が残っているのは、爪木地区の人形送りだけです。

爪木地区の人形送り

人形送りの人形は、真竹を芯にして藁で作られており、篠竹でつくった大小刀を差して腕を組んでいる武者の姿をした人形です。この人形を各家で作り、お弁当と路銀(旅にかかるお金)を持たせて、大掾辺田の下の宮中との村境に、悪魔祓いや家内安全の願いをこめて立てました。念仏を唱える家もあったそうです。

爪木の人形送りはもっぱらお年寄り達によって行われていました。人形送りの日の選定は、村の法眼様(男の年寄りで、葬式の時に太鼓・鉦(かね)を叩く最年長者でいわば村の世話役)が決め、当日は各家で、家の中をなでるように藁人形を左右に振り「悪魔祓い」と三回唱えながら家内安全を祈ります。

そして午前九時ごろ熊野神社の前に藁人形を持ち寄り、全員が集合したら法眼様を先頭に送列をつくって太鼓と鉦を鳴らしながら人形を手に持って村境の広場へ向かいます。用事があって参加できない人は家の門口に人形を立てておくと、近所のお年寄りが持って行ってくれました。

全員が広場に着くと、藁人形を立て、悪魔祓いと家内安全を祈る念仏を唱えて終わりになります。

爪木の人形送り

また、同様の行事は鹿嶋市域以外でも行われており、茨城県北地域では「鹿島大助(かしまおおすけ)」「大助人形(おおすけにんぎょう)」「お鹿島さま」などと呼ばれています。

参考文献

鹿島町史第2巻、図説鹿嶋の歴史近代現代編、鹿嶋市史地誌編

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