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神之池基地での訓練 ―特攻機桜花―
記事ID:0050095
更新日:2021年3月29日更新
特攻機桜花―とっこうきおうか
桜花は、第二次世界大戦末期に運用された旧日本海軍の特攻機です。機首部に1200kgの爆弾を搭載し、母機となる一式陸上攻撃機の腹下に吊されて敵艦船近くまで運ばれ、パイロット1名が乗り込みます。そして母機から切り離されて、滑空し、必要に応じてロケットを噴射し敵艦船にパイロットが乗ったまま体当たりするというものでした。
桜花の部隊は、桜花搭乗員の桜花隊、桜花を運ぶ一式陸攻隊、これらを援護する戦闘機隊で編成されていました。桜花は鹿児島県鹿屋基地などから出撃し、沖縄方面のアメリカ軍艦隊を目標に飛び立ちましたが、ほとんどが近づく前に母機ごと撃墜されました。
神之池基地での訓練
神之池基地では、滑空技術を習得するための訓練が行われていました。爆弾と同じ重さの水や砂を積んだ「桜花練習機K1」で、一式陸上攻撃機に上空まで抱きかかえられ、上空で切り離されて地上まで降下し、着陸の際は練習機に付けられたソリで砂地を滑走して着陸するという想像を絶する訓練でした。
それは過酷なものであり、事故による殉職者もいました。(※「桜花」は、当時の公文書では旧字体で「櫻花」と表記されています。)