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正倉院(しょうそういん)
記事ID:0050036
更新日:2021年3月29日更新
正倉院は、税を保管するための倉庫群です。この倉庫群は、発掘調査から幅約4~5mの大溝に囲まれていたことが分かっています。
この大溝は、律令規定の「倉庫令(そうこりょう)」という当時の法令に従って設けられたものと考えられます。倉庫令には、「倉庫は高台で乾燥した場所に設けること」「倉庫周囲には池渠(溝・池)を設けること」「倉庫から五十丈(約150m)以内には官舎を置いてはならないこと」が規定されています。鹿島郡家の倉庫群は、まさに標高32mの乾燥した高台に位置し、倉庫の廻りを大溝がめぐっていて、郡庁の正殿から大溝までが約150mであり、倉庫令を正しく守っていることが窺えます。
昭和55年の発掘調査風景からは、人がすっぽり入ってしまう大溝の規模の大きさが分かります。この大きさの溝が、正倉院(倉庫)の廻りを約150m巡っていました。