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子どもたちが英語を楽しく学習できるように、市は(株)鹿島アントラーズFC全面協力のもと、オリジナルの英語教材を制作しました。
制作した教材にはアントラーズの選手が登場し、選手が英語を発声しながらその言葉の意味のとおりに動く動画になっています(動作は約160種類、全32本の動画)。ジーコTDや中田C.R.O、アントラーズのマスコットキャラクターであるしかおとしかこが登場する動画もあります。
▲記者発表で制作動画の一部を紹介
▲「close my hands」と発声し、自分の手を握る永木選手
▲「pinch my cheeks」 笑顔でほっぺたをつねる常本選手
▲「big jump」 土居選手の高い跳躍
今回制作した動画のように、先生の英語での指示や動きを子どもたちに真似させて、全身を動かしながら英語を覚えさせる指導方法は、TPR(Total Physical Response 全身反応教授法)と呼ばれます。
TPRは、楽しく英語を学べるというほかに「自然な順序で英語を覚えることができる」というメリットがあります。
子どもが母国語を覚えるとき、国や言語などは問わず「聞く→話す→読む→書く→文法を覚える」という順序で学ぶとされています。TPRは、上記プロセスの中で最初に覚えるべき「聞く」と「話す」に当たります。そのため、英語学習の初期段階での積極的な導入が勧められています。
▲本市で行っている「英語で遊ぼう」もTPRによる英語教育です(写真:鹿嶋市地域子育て支援センター、撮影:2019年)
その他にもTPRには、「言葉と同時に行動すると言語理解が急速に進む」「行動とともに覚えられた言葉は長時間忘れにくい」「意味と動作が直接結びつくため母国語を介入させる必要がない」「レベルに関係なく取り組むことができる」ということが期待できる第二言語習得に効果的な教授法です。
本教材におけるTPRの特徴は、多くの日常の動作を取り入れた点です。「朝の支度」「教科」「給食の時間」「掃除の時間」「放課後」など、子どもたちの日常や生活場面で使用される動作が収録されています。「布巾を絞る squeeze the cloth」「床を掃く sweep the floor」「あくびをする yawn」「しかめっ面をする frown」など、小学校・中学校の教科書では扱われないけれど、日常会話では必要な動作なども含まれています。また、「潮干狩りをする」「サーフィンをする」「スタジアムに行く」など、鹿嶋市ならではのアクティビティや、「チームを応援する」「ドリブルをする」「フリーキックを蹴る」「円陣を組む」などのサッカーに関連した動作などもあるので、本教材を使用した英語活動は、鹿嶋らしさに触れる機会にもなることが期待できます。
市と(株)鹿島アントラーズFCは、地方創生事業に関する包括連携協定を結んでいます。今回の英語教材の制作もこの事業の一つに位置づけられ、(株)鹿島アントラーズFCには、選手やスタッフによる動画撮影および制作を、すべて無償で対応していただきました。
プロスポーツクラブと共同でのTPR教材は全国初の試みとなります。動画撮影時、選手には「子どもたちが目の前で見ている」との想定で出演していただいたため、選手たちの笑顔あふれる素敵な教材となっています。
5月12日に市役所で行われた記者発表で、川村等 鹿嶋市教育委員会 教育長は「アントラーズさんとは、これまでも食育やサッカー教室などをはじめ、昨年度には小学生のプログラミング教育や中学生のキャリア教育などについて全面的にご協力をいただいており、本当に感謝しています。今後も、市の様々な教育の場面において、連携協力体制を築いていき、鹿嶋市にしかできない教育活動の展開をしていければと考えております」と、(株)鹿島アントラーズFCへの感謝とこれからの市の教育についての考えを語りました。
▲川村等 鹿嶋市教育委員会 教育長
記者発表に参加した鈴木秀樹 (株)鹿島アントラーズFC 取締役マーケティングダイレクターは、「今回TPRを使った教育や教材制作をご紹介いただき、とても面白いし協力したいと思いました。選手のことを子どもたちや保護者・教育の現場に知ってもらうためのPRの機会にもなると考え、初めての試みでしたがチャレンジさせていただきました。ぜひ、様々な教育現場で活用していただきたいです」と力強くお話いただきました。
▲鈴木秀樹 (株)鹿島アントラーズFC 取締役マーケティングダイレクター
作成した教材は、5月下旬から市内の全小学校で、1~2年生を対象とした英語活動の中で使用していきます。また、3年生~6年生に対しても、朝会や帰りの会などで使うなど、各学校の教育環境に合わせた活用を進めていく予定です。