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かったい橋(鶴来橋)
記事ID:0050053
更新日:2021年3月29日更新
鹿島神宮駅の周りが田んぼや山に囲まれていた昔、須賀に通じる道路には御手洗川が流れ、「かったい橋」と呼ばれる橋が架かっていたそうです。
鹿島神宮には、地震を起こすなまずを抑えていると言われる要石がありますが、要石は地中深く地下に通じていて、底が掘りきれないと言われていました。
これを聞いた水戸光圀公が「そんな馬鹿なことがあるものか。」と人夫を使って七日七晩掘り続けましたが、いくら掘っても次の日の朝には元に戻ってしまい、底が見える様子がありません。夜に見張りをつけましたが、やっぱり朝になると不思議と戻っているのです。
そして一人の人夫が一日の仕事が終わり、御手洗川で体を洗って帰ろうとした時です。橋から川を覗き込きこんで驚きました。川の中から見るも恐ろしい鬼がこちらを見ているではありませんか。
人夫は、おそるおそるもう一度川をのぞいてみました。するとどうでしょう。鬼だと思ったのは水面に映った自分の顔だったのです。人夫は「これは神様の罰があたったのだ」と要石を掘るのをやめ、十七日間身を慎み、一心に神に祈り続けると、元の顔に戻ったということです。
水戸の黄門様はというと、七日七晩掘り続けたある晩に、夢枕に白いひげのおじいさんが現れて「恐れ多い要石を掘ると 罰があたるぞ。」と諭されて掘るのを止めたそうです。