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厨家(くりや)
記事ID:0050035
更新日:2021年3月29日更新
厨家は、いわゆる台所施設です。郡庁から約50m東に位置しており、小規模な掘立柱建で構成され3群に分かれています。発掘調査から、2~3回程建て替えが行われていると推測されおり、この建物の一棟から総数512点の墨書土器が出土しています。「鹿厨」「厨」と台所を示す墨書が最も多く確認されており、台所専用食器として間違われないように書かれたものと考えられます。
また「舘(館)」と墨書された土器片も見つかっています。「館(たち)」とは、国司などが訪問した際の宿泊施設(迎賓館)で、厨家から北に50mの場所に郡庁前殿クラスの柱穴が見つかっており、これが「館」であったと見られています。台所施設である「厨家」が宿泊施設である「館」に付随していたと考えられます。