○鹿嶋市議会ハラスメント防止条例
令和8年3月18日
条例第7号
ハラスメントは,基本的人権及び個人の尊厳を著しく傷つけ,職員等の業務及び議員活動並びに市民の福祉に支障を生じさせ,議会及び議員の社会的信用及び信頼を失う行為であるとともに,市民サービスの低下につながる行為である。
鹿嶋市議会及びその構成員である議員は,市民の負託により二元代表制の一翼を担う重責を理解し,ハラスメントを防止し,職員等と議員が安心して市民のため職務を遂行できる環境を確保することによって,市民から信頼され続ける議会を実現することを強く決意し,この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は,全ての議員が互いの人格を尊重し,信頼し合うことにより,議員及び議会としての役割を十分に発揮するため,議員によるハラスメントを防止するための措置を講じ,市民から信頼される議会の実現に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「ハラスメント」とは,次に掲げる行為をいう。
(1) パワーハラスメント(職務に関する優越的な関係を背景として行われる業務上必要かつ相当な範囲を超える言動により,相手方に精神的又は身体的な苦痛を与え,相手方の人格,尊厳又は職務環境(議員としての活動を行う上での環境を含む。以下同じ。)を害する行為をいう。)
(2) セクシャルハラスメント(性的な言動により相手方に不快感を与える行為又は相手方の職務環境を害し,若しくは勤務(議員としての活動を含む。以下同じ。)条件に不利益を与える行為をいう。)
(3) 妊娠,出産,育児又は介護に関するハラスメント(妊娠したこと,出産したこと,妊娠若しくは出産に起因する症状により勤務できないこと等に対する言動又は妊娠,出産,育児若しくは介護に関する制度若しくは措置の利用に対する言動により相手方の職務環境を害する行為をいう。)
(4) SOGI(ソジ)ハラスメント(性的指向,性自認等に関して,侮辱的,差別的な言動により相手方に精神的若しくは身体的な苦痛を与える行為をいう。)
(5) その他のハラスメント(相手方に精神的又は身体的な苦痛を与え,相手方の人格,尊厳又は職務環境を害する行為であって,前各号に該当しないものをいう。)
2 この条例において「職員等」とは,地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職に属する職員並びに同条第3項第1号,第1号の2,第2号,第3号,第3号の2,第5号及び第6号に規定する特別職に属する職員(議員を除く。)並びに市の各機関を役務の提供先とする労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号)第2条第2号に掲げる派遣労働者,市の各機関と業務委託契約その他の契約を締結している事業等に従事する労働者をいう。
(適用範囲)
第3条 この条例は,次に掲げるハラスメントについて適用する。
(1) 議員から職員等に対するハラスメント
(2) 議員から議員に対するハラスメント
(議員の責務)
第4条 議員は,市民の代表として常に高い倫理観を持ち,ハラスメントの防止に努めなければならない。
2 議員は,ハラスメントが行為者の意図とは関係なく生じ得ること及び議員と職員等が特殊な関係にあることを自覚し,職員等及び他の議員を個人として尊重することを通じて,誠実かつ公正な活動に努めなければならない。
3 議員は,ハラスメントに当たる言動を行っていると疑われたときは,自ら誠実な態度をもって事実を明らかにし,説明責任を果たさなければならない。
(議長の責務)
第5条 議長は,ハラスメントの防止に努めるとともに,ハラスメントに起因する問題の解決に必要な措置を迅速かつ適切に講ずるものとする。
2 議長は,ハラスメントに関する相談に的確に対応するため,必要な相談体制の整備に努めるものとする。
2 議長及び副議長がともに対象者となったときは,対象者に該当しない年長の議員がこの条例に規定する議長の職務を行うものとする。
(研修等)
第7条 議長は,ハラスメントの防止のため,議員に対し必要な研修等を行うものとする。
(相談等)
第8条 職員等又は議員は,ハラスメントによる被害を受け,又はその事実があると思料するときは,議長に対し,ハラスメントに関する相談をし,その内容を書面又は電子メールにより申し立てることができる。
2 議員は,他の議員がハラスメントに当たる言動を行っていると認められる事態に遭遇したときは,議長に当該事態について報告しなければならない。
(調査等)
第9条 議長は,前条第4項の規定により受理の決定をしたときは,当該申立て等に係る事実関係の調査を行い,当事者からの申出に基づいてあっせんを行うものとする。
3 議長は,申立等関係者が正当な理由がなく第1項の調査に応じないときは,当該申立等関係者に対し,当該調査に応ずべきことを命ずることができる。
5 前項の補助事務を行う議会事務局の職員は,2名以上とし,性別の偏りがないよう配慮した構成に努めるものとする。
6 議長は,第1項の規定による調査又はあっせんの結果,当事者同士が和解した場合は,その旨を規程に定めるハラスメント調査及びあっせん記録書を作成するものとする。
(ハラスメント審査会)
第11条 前条第1項の規定による諮問に応ずるため,ハラスメント審査会(以下「審査会」という。)を置く。
2 審査会は,次に掲げる事務を所掌する。
(1) 第8条第4項の規定により受理の決定を受けた申立て等に係る事実関係について調査審議すること。
(2) 第8条第4項の規定により受理の決定を受けた申立て等に係る対応について調査審議すること。
(3) ハラスメントの防止について調査審議すること。
(4) その他ハラスメントに関し議長が必要と認める事項について調査審議すること。
3 申立等関係者は,正当な理由がある場合を除き,審査会が行う調査に応じなければならない。
4 議長は,申立等関係者が正当な理由がなく前項の調査に応じないときは,当該申立等関係者に対し,当該調査に応ずべきことを命ずることができる。
5 前3項に定めるもののほか,審査会の組織及び委員その他審査会に関し必要な事項は,議長が別に定める。
(公表等)
第12条 議長は,審査会の答申を受け,議員によるハラスメントを認定した場合及び第10条第2項の規定により審査会に諮問せずに議員によるハラスメントを認定した場合は,鹿嶋市議会会議規則(平成7年議会規則第2号)別表に規定する全員協議会において当該ハラスメントの概要及び当該ハラスメントを行った議員の氏名等を報告し,必要な措置を講ずるものとする。ただし,ハラスメントの被害者が全員協議会での報告を望まない場合は,報告をせずに必要な措置を講ずるものとする。
2 議長は,前項の規定により全員協議会において報告したときは,当該ハラスメントの概要,当該ハラスメントを行った議員の氏名及び必要な措置について公表することができる。ただし,公表により,ハラスメントの被害者が特定されるおそれがある場合又はハラスメントの被害者が公表を望まない場合は,その全部又は一部を公表しないものとする。
(被害者等のプライバシーの保護)
第13条 議員は,ハラスメントの被害者及び関係者のプライバシーの保護に十分配慮し,当該ハラスメントに関し職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
(委任)
第14条 この条例の施行に関し必要な事項は,議長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は,公布の日から施行する。
(適用区分)
2 この条例の規定は,この条例の施行の日以後に行われたハラスメントについて適用する。
(検討)
3 議会は,この条例の施行後,議員の改選があるたびに,この条例の施行の状況について検討を加え,必要があると認めるときは,その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。