○鹿嶋市ストレスチェック実施規程
平成28年9月8日
訓令第5号
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 ストレスチェックの実施体制(第4条―第7条)
第3章 ストレスチェックの実施方法
第1節 ストレスチェック(第8条―第16条)
第2節 医師による面接指導(第17条―第21条)
第3節 集団ごとの集計・分析(第22条―第24条)
第4章 記録の保存(第25条―第28条)
第5章 ストレスチェックに関する情報管理(第29条―第32条)
第6章 情報開示,訂正,追加及び削除並びに苦情処理(第33条―第35条)
第7章 不利益な取扱いの防止(第36条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規程は,鹿嶋市の職員に対し,労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「法」という。)第66条の10の規定に基づく心理的な負担の程度を把握するための検査(以下「ストレスチェック」という。)を実施するに当たり,法及び労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)に定めるもののほか,必要な事項を定めるものとする。
(適用範囲)
第2条 この規程は,法その他関係法令等の規定に基づき,次に掲げる市の職員に適用する。
(1) 地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職に属する職員(再任用職員,任期付職員及び他の執行機関等へ出向等している職員を含む。)
(2) 鹿嶋市一般職の嘱託職員規則(平成18年規則第24号)に規定する嘱託職員
(3) 前2号に掲げる以外の職員のうち,社会保険に加入している者
(4) その他特に必要と認める者
(平29訓令8・一部改正)
(制度の趣旨等の周知)
第3条 市長は,次に掲げるストレスチェックの制度の趣旨等を職員に周知する。
(1) ストレスチェックは,職員自身のストレスへの気付き及びその対処の支援並びに職場環境の改善を通じて,メンタルヘルス不調となることを未然に防止する一次予防を目的としており,メンタルヘルス不調者の発見を一義的な目的とはしないものであること。
(2) 職員がストレスチェックを受ける義務まではないが,専門医療機関に通院中などの特別な事情がない限り,全ての職員が受けることが望ましいこと。
(3) ストレスチェックの結果は直接職員本人に通知され,当該職員の同意なく市長が結果を入手するようなことはないこと。したがって,ストレスチェックを受けるときは,正直に回答することが重要であること。
第2章 ストレスチェックの実施体制
(ストレスチェック担当部署)
第4条 ストレスチェックの実施計画の策定及び計画に基づく実施の管理等の実務を担当する部署は,人事担当課とする。
(ストレスチェックの実施者)
第5条 ストレスチェックの実施者(以下「実施者」という。)は,鹿嶋市職員安全衛生管理規則(昭和63年規則第17号)第7条により設置された産業医とする。ただし,特別の事情がある場合においては,法第66条の10第1項の規定に基づく医師等のうち,市長が特に指定するものを実施者又は共同実施者とすることができる。
(ストレスチェックの実施事務従事者)
第6条 市長は,実施者の指示の下,ストレスチェックの実施事務従事者として,衛生管理者及び安全衛生担当職員に,ストレスチェックの実施日程の調整・連絡,調査票の配布,回収,データ入力等の各種事務処理を担当させる。
2 衛生管理者又は安全衛生担当の職員であっても,職員の人事に関して権限を有する者は,これらのストレスチェックに関する個人情報を取り扱う業務に従事しない。
(面接指導の実施者)
第7条 法第66条の10第3項の規定に基づく医師による面接指導(以下「面接指導」という。)は,産業医が実施する。ただし,特別の事情がある場合においては,他の医師に委託して実施することができる。
第3章 ストレスチェックの実施方法
第1節 ストレスチェック
(実施時期)
第8条 ストレスチェックは,1年以内ごとに1回実施する。
(対象者)
第9条 ストレスチェックは,第2条に規定する職員を対象に実施する。ただし,他の執行機関等へ出向等している職員のストレスチェック結果は,集団ごとの集計・分析の目的のみに使用する。
2 ストレスチェック実施期間中に,出張等の業務上の都合によりストレスチェックを受けることができなかった職員に対しては,別途ストレスチェックを実施する。
3 ストレスチェック実施期間に休職していた職員のうち,休職期間が1月以上の職員については,ストレスチェックの対象外とする。
(受検の方法等)
第10条 職員は,専門医療機関に通院中などの特別な事情がない限り,市長が設定した期間中にストレスチェックを受けるよう努めなければならない。
2 ストレスチェックは,職員の健康管理を適切に行い,メンタルヘルス不調を予防する目的で行うものであることから,ストレスチェックにおいて職員は自身のストレスの状況を率直に回答するよう努めなければならない。
3 市長は,なるべく全ての職員がストレスチェックを受けるよう,実施期間の開始日後に職員の受検の状況を把握し,受けていない職員に対して,実施事務従事者又は当該職員の所属長を通じて受検の勧奨を行う。
(調査票及び方法)
第11条 ストレスチェックは,別に定める調査票(職業性ストレス簡易調査票)を用いて実施する。
2 ストレスチェックは,実施者が指定する媒体で行う。
(ストレスの程度の評価方法・高ストレス者の選定方法)
第12条 ストレスチェックの個人結果の評価は,「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」(平成27年5月厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室。以下「マニュアル」という。)に示されている素点換算表を用いて換算し,その結果をレーダーチャートに示すことにより行う。
2 高ストレス者の選定は,マニュアルに示されている「評価基準の例(その2)」に準拠し,以下のいずれかを満たす者を高ストレス者とする。
(1) 「心身のストレス反応」(29項目)の6尺度(活気,イライラ感,不安感,抑うつ感,疲労感及び身体愁訴)について,素点換算表により5段階評価(ストレスの高い方が1点,低い方が5点)に換算し,6尺度の合計点が12点以下(平均点が2.00点以下)である者
(2) 「仕事のストレス要因」(17項目)の9尺度(仕事の量,仕事の質,身体的負担度等)及び「周囲のサポート」(9項目)の3尺度(上司からのサポート,同僚からのサポート等)の計12尺度について,素点換算表により5段階評価(ストレスの高い方が1点,低い方が5点)に換算し,12尺度の合計点が26点以下(平均点が2.17点以下)であって,かつ,「心身のストレス反応」の6尺度の合計点が17点以下(平均点が2.83点以下)である者
(ストレスチェック結果の通知方法)
第13条 ストレスチェックの個人結果の通知は,実施者の指示により,実施事務従事者が,各職員に対して文書により通知する。
(セルフケア)
第14条 職員は,ストレスチェックの結果及び結果に記載された実施者による助言・指導に基づいて,適切にストレスを軽減するためのセルフケアを行うように努めなければならない。
(市長への結果提供に関する同意の取得方法)
第15条 市長は,ストレスチェックの結果を職員に通知する際に,結果を市長に提供することについて同意するかどうかの意思確認を行うものとする。
2 前項の確認に対し,市長への結果提供に同意する職員は,同意書を実施者に提出しなければならない。
3 実施者は,前項の同意書を受理したときは,当該同意書に係る職員のストレスチェックの結果の写しを市長に提供するものとする。
(ストレスチェックを受けるのに要する時間の賃金の取扱い)
第16条 ストレスチェックを受けるのに要する時間は,勤務時間として取り扱う。
2 職員は,勤務時間中にストレスチェックを受けるものとし,所属長は,職員が勤務時間中にストレスチェックを受けることができるよう配慮しなければならない。
第2節 医師による面接指導
(面接指導の申出の方法)
第17条 ストレスチェックの結果,面接指導を受ける必要があると判定された職員が,面接指導を希望する場合は,結果通知を受け取ってから30日以内に,面接指導申出書を実施者又は実施事務従事者に提出しなければならない。
2 面接指導を受ける必要があると判定された職員から,結果通知後30日以内に面接指導申出書の提出がなされない場合は,実施者又は実施事務従事者が,該当する職員に対し,面接指導の申出の勧奨を行う。
3 実施者又は実施事務従事者は,結果通知から30日を経過する前日(当該日が休業日である場合は,それ以前の最後の営業日)に,該当する職員に対し,申出に関する最終的な意思確認を行う。この場合において,第三者にその職員が面接指導の対象者であることが知られることがないよう配慮しなければならない。
(面接指導の実施方法)
第18条 面接指導の実施日時及び場所は,面接指導を実施する医師の指示により,実施事務従事者が,該当する職員及び所属長に通知する。
2 面接指導の実施日時は,面接指導申出書が提出されてから,30日以内に設定する。この場合において,該当する職員に実施日時及び場所を通知する場合は,第三者にその職員が面接指導の対象者であることが知られることがないよう配慮しなければならない。
3 通知を受けた職員は,指定された日時に面接指導を受けるものとし,所属長は,職員が指定された日時に面接指導を受けることができるよう配慮しなければならない。
(面接指導結果に基づく医師の意見聴取方法)
第19条 市長は,面接指導を実施した医師に対して,面接指導の終了後30日以内に,面接指導結果報告書兼意見書により,結果の報告及び意見の提出を求める。
(面接指導結果を踏まえた措置の実施方法)
第20条 市長は,面接指導の結果,就業上の措置が必要との意見書が面接指導を実施した医師から提出され,人事異動を含めた就業上の措置を実施する場合は,面接指導を実施した医師の同席の下で,該当する職員に対して,就業上の措置の内容及びその理由等について説明を行う。
2 職員は,正当な理由がない限り,市長が指示する就業上の措置に従わなければならない。
(面接指導を受けるのに要する時間の賃金の取扱い)
第21条 面接指導を受けるのに要する時間は,勤務時間として取り扱う。
第3節 集団ごとの集計・分析
(集計・分析の対象集団)
第22条 ストレスチェック結果の集団ごとの集計・分析は,原則として,課又は部ごとの単位で行う。ただし,10人未満の課又は部については,同じ組織に属する他の課又は部と合算して集計・分析を行う。
(集計・分析の方法)
第23条 集団ごとの集計・分析は,マニュアルに示されている仕事のストレス判定図を用いて行う。
(集計・分析結果の利用方法)
第24条 実施者は,市長に対し,課又は部ごとに集計及び分析したストレスチェックの結果(個人のストレスチェックの結果が特定されないものに限る。)を提供する。
2 市長は,前項の規定により提供された結果に基づき,必要に応じて,職場環境の改善のための措置を実施するとともに,必要に応じて所属長等に対して研修を行う。職員は,市長が行う職場環境の改善のための措置の実施に協力しなければならない。
第4章 記録の保存
(ストレスチェック結果の記録の保管担当者)
第25条 ストレスチェック結果の記録の保管担当者は,第6条に規定する実施事務従事者とする。
(ストレスチェック結果の記録の保管期間・保管場所)
第26条 実施者は,ストレスチェック結果の記録を5年間保管するものとする。
(ストレスチェック結果の記録の保存に関するセキュリティの確保)
第27条 実施者は,保管されているストレスチェック結果が第三者に閲覧されることがないよう,責任をもって管理をしなければならない。
(事業者に提供されたストレスチェック結果・面接指導結果の保存方法)
第28条 市長は,職員から提供されたストレスチェック結果の写し,実施者から提供された集団ごとの集計・分析結果,面接指導を実施した医師から提供された面接指導結果報告書兼意見書(面接指導結果の記録)を5年間保管する。
2 市長は,第三者に市に保管されているこれらの資料が閲覧されることがないよう,責任をもって管理をしなければならない。
第5章 ストレスチェックに関する情報管理
(ストレスチェック結果の共有範囲)
第29条 市長は,職員から提供されたストレスチェックの結果を人事担当課内のみで保管し,他の部署の職員には提供しないものとする。
(面接指導結果の共有範囲)
第30条 市長は,面接指導を実施した医師から提供された面接指導結果報告書兼意見書(面接指導結果の記録)は,人事担当課のみで保管し,そのうち就業上の措置の内容等職務遂行上必要な情報に限定して,該当する職員の所属長に提供する。
(集団ごとの集計・分析結果の共有範囲)
第31条 市長は,実施者から提供された集計・分析結果は,人事担当課で保管するとともに,課又は部ごとの集計・分析結果については,当該課又は部の所属長に提供する。
2 市長は,課又は部ごとの集計・分析結果とその結果に基づいて実施した措置の内容を,安全衛生委員会に報告するものとする。
(健康情報の取扱いの範囲)
第32条 ストレスチェックに関して取り扱われる職員の健康情報のうち,診断名,検査値,具体的な愁訴の内容等の医学的情報は,実施者が取り扱わなければならず,人事担当課に関連情報を提供する際には,適切に加工しなければならない。
第6章 情報開示,訂正,追加及び削除並びに苦情処理
(情報開示等の手続)
第33条 職員は,ストレスチェックに関して情報の開示等を求める際には,文書により市長に提出しなければならない。
(苦情申立ての手続)
第34条 職員は,ストレスチェックに関する情報の開示等について苦情の申立てを行う際には,文書により市長に提出しなければならない。
(守秘義務)
第35条 職員からの情報開示等や苦情申立てに対応する職員は,それらの職務を通じて知り得た職員の秘密(ストレスチェックの結果その他の職員の健康情報)を,他人に漏らしてはならない。
第7章 不利益な取扱いの防止
(市長が行わない行為)
第36条 市長は,ストレスチェックに関して,次に掲げる行為を行わないことを職員に周知するものとする。
(1) ストレスチェック結果に基づき,医師による面接指導の申出を行った職員に対して,申出を行ったことを理由として,当該職員に不利益となる取扱いを行うこと。
(2) 職員の同意を得て市長に提供されたストレスチェック結果に基づき,ストレスチェック結果を理由として,当該職員に不利益となる取扱いを行うこと。
(3) ストレスチェックを受けない職員に対して,受けないことを理由として,当該職員に不利益となる取扱いを行うこと。
(4) ストレスチェック結果を市長に提供することに同意しない職員に対して,同意しないことを理由として,当該職員に不利益となる取扱いを行うこと。
(5) 医師による面接指導が必要とされたにもかかわらず,面接指導の申出を行わない職員に対して,申出を行わないことを理由として,当該職員に不利益となる取扱いを行うこと。
(6) 就業上の措置を行うに当たって,医師による面接指導を実施する,面接指導を実施した実施者から意見を聴取する等,法及び労働安全衛生規則に定められた手順を踏まずに,当該職員に不利益となる取扱いを行うこと。
(7) 面接指導の結果に基づいて,就業上の措置を行うに当たって,面接指導を実施した産業医の意見と,その内容・程度が著しく異なる等医師の意見を勘案し必要と認められる範囲内となっていないものや,労働者の実情が考慮されていないものなど,法その他の法令に定められた要件を満たさない内容で,当該職員に不利益となる取扱いを行うこと。
(8) 面接指導の結果に基づいて,就業上の措置として,次に掲げる措置を行うこと。
ア 分限処分すること。
イ 期間を定めて雇用される職員について任用の更新をしないこと。
ウ 退職勧奨を行うこと。
エ 不当な動機・目的をもってなされたと判断されるような配置転換又は職制上の変更を命じること。
オ その他の労働関係法令に違反する措置を講じること。
附則
この訓令は,公布の日から施行する。
附則(平成29年8月31日訓令第8号)
この訓令は,公布の日から施行する。